2世帯住宅について

ここでは“2世帯住宅”について書いていきます。
難しい内容よりもわかりやすく書きたいと思いますが、実は家族関係に大いに絡む
ためにそちらを紐解く方が難しいことになってくるのが現実です。
かつて私共も2世帯住宅の設計を何度か手がけていますが、やはりその家族毎により
考え方は異なって来ています。でも私にすればそれは当然であって、当たり前と思っ
ています。そのためにも我々専門家のアドバイスや図面化が必要だと思ってもいます。

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住宅設計を考える場合には家族内の個や世代間の関係によりまずはプラン(平面図)が
変わってきますね。「2世帯住宅」と言えば普通は「独立した2つの世帯がいっしょに
暮らす1棟の家」と考えられがちですが、そう単純ではなさそうです。

その形を大きく以下に分けてみました。《上のイラストは1軒分の空間をどう分けるかを示しています。》


 
1)2世帯完全分離型 
    
     ・考え方 :親夫婦、子夫婦(家族)が2世帯として完全に生活空間を分けな
            がら、1棟に住む共同住宅的な考えです。
           世帯の独立性は非常に高い。
     ・プラン面:玄関から各室まで各世帯に完全に分けて利用も別々です。
            せめて玄関近くに行き来が出来る扉が必要と思われます。
     ・コスト面:同じ機能が2室づつあるため費用的には2軒分(実際は1.7軒算定)に近くなります。

 
2)2世帯部分共有型

     ・考え方 :親夫婦、子夫婦(家族)が共有部分を持ちながら世帯としての
            生活空間は分ける考えです。
            独立性とプライバシ−の関係からどこを共有するか、よく話し合う
            必要があります。主に生活時間の違いが反映されるようです。
     ・プラン面:玄関、居間、厨房、食堂などを1階に持ってきて共有する場合が多
             いです。時には各家族団欒室をとったり、浴室や厨房も分ける場合もあります。
     ・コスト面:共有部分によりますがほぼ1)と3)の中間ぐらいの費用となります。

 
3)2世帯融合型
 
     ・考え方 :かつての大家族的で寝室だけを分ける考えです。世帯間のプライバシ−
            は低く個人的な独立性によるところが大きくなります。
     ・プラン面:せいぜいトイレを分けるぐらいでほぼ1世帯的に等しくなります。
             但し、家族全員集まった時を考慮したスペ−スが必要となります。
     ・コスト面:一番安い費用と考えられます。



私共での設計実例ではアレコレ打合せをした結果として、全て2)になっています。
玄関、居間、厨房、食堂、洗面、浴室などが共有です。
 
 岡田邸: 1階/全て駐車場
         2階/玄関、居間兼食堂+厨房、トイレを含めた水廻り。
              親夫婦の寝室(和室)
         3階/子家族の居間、寝室。(長男家族・長女の寝室)
               トイレ、納戸。

 塚元邸: 1階/玄関、居間兼食堂+厨房、茶の間(和室)、トイレ。
       2階/親夫婦の寝室(和室)、親夫婦の個室。
           トイレを含めた水廻り。
       3階/子夫婦の寝室(和室)、子供室。

 古市の家: 1階/玄関、居間+食堂+厨房、トイレ  親夫婦の寝室(和室2室)
          2階/子夫婦の寝室、子供室3室、趣味室

 嵯峨の家: 1階/玄関、トイレを含めた水廻り、親夫婦の寝室(和室)
         2階/居間+食堂+厨房
         3階/子夫婦の寝室、トイレ

もちろん、各設計は打合せを繰り返して家族内で了解を得て進めました。

2)型になっていくのは
    ・毎日の生活時間の違い
    ・将来的なライフ・サイクル 
  が大きく関係しているようです。

2世帯が同居する経緯や背景にはやはり“親世帯の高齢化問題”が伺えます

 *高齢者・障害者の住宅改造についてはこちらのペ−ジに記載中

 

 

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