ロ−コスト建設について

 

ここではロ−コスト建設についての考えを書いていきます。

新築や増改築にしても、建主側の誰もが欠陥や手抜きはされたくはないが出来るだけ安い

費用にしたいと思うのは極々当たり前でしょうし、私自身の経験で言っても、何千万円の予算

がある余裕の有る新築住宅でもコスト管理や費用対効果以前に『安く押さえるためにはどうし

たら良いか』をまず考えてきたのも当然のことでした。

しかし、よくよく考えれば『ロ−コスト→安く押さえる』建設は何も業者側を押さえ込み、値切り、

無理をすることではなく、当初より『適性価格』を意識をして、建主側との話し合いの中

で設計作業を進める事だと思っています。

建設費=建坪×坪あたりいくら、という建設価格が工務店などより提示されて、その裏にある

設計や現場監理のことも当初より十分考えておかないと最終的に予算オ−バ−で困ってしま

うということにもなりかねない恐い話でもあります。

その『適性価格』を見据えたロ−コスト住宅について書き出してみます。

 

 ロ−コストを他の分野で考えてみると−−−たとえば、衣服の分野。
 サラリーマンの方でも休日などの気楽な時間は、ほとんどの方がTシャツやジーンズなど
 動きやすく洗いやすい気楽な格好で過ごされるのではないですか。
 ス−ツからみればロ−コストとは言え、こういった気楽なTシャツやジーンズはすぐに破れ
 てしまうとは思えませんよね。(安物の極悪品は別ですが)

 「ローコスト住宅」とは、言ってもけっして安物作りではなく意味がありません。
 ス−ツ的な硬いイメ−ジではなく「気楽で着やすい=住宅」と言えば判りやすいかもしれま
 せんね。
 私共が考える“ロ−コストで建てるためのヒント”をいくつか上げてみることにします。

 

 

A)シンプルな構造

 シンプルな構造とは、判りやすくいえば壁の通りを通した出来るだけ四角い構造形状です。凹凸の多
 い構造は当然構造計画が複雑になり、それにかかわる工事費に占める構造の割合も大きくなってき
 ます。また複雑な形状となりやすいため外壁や屋根材などのコストアップにつながり、耐震性も不安定
 なものになります。

B)シンプルな流通

 シンプルな流通とは、誰もが比較的に手に入れやすい素材を選択することです。オーダー品を選択す
 るとどうしてもコストがかかってしまいますね。特注品を制作する場合でも安価で手に入る材料を選択
 し、現場で職人さんに作ってもらうことをお薦めします。「ローコスト住宅」と「ハイコスト住宅」の大きな
 違いは、選択する素材の流通にあるといっても過言ではありません。また、できるだけ使用する素材
 や建材を絞り込み、単純化することが肝心で、見た目だけの判断で材料をあれこれ多く選ぶとすぐに
 コストに跳ね返ってしまいます。

C)シンプルなライフスタイル

 シンプルなライフスタイルとは、持ちモノを減らした考えから始めたいものです。とは言っても、今までの
 生活に使っていた家具や記念の品もたくさんありますから簡単には処分できるものではありません。そ
 のような時は収納に合わせたスペースを確保することが必要です。6畳分のスペースでもモノを置くこと
 で4畳分のスペースしか出来ないのでは、全体コストに配慮しながらも物置スペ−スにお金がかかった 
 住宅になってしまいがちですね。

D)念入りな設計と厳密な工事監理

 「ローコスト住宅」の成功の裏には、充分な設計打合せと工事監理がなくてはなりません。設計の初期
 の段階から、充分な構造計画と平面計画を練らなくてはいけないからです。また、生活に必要でない設
 備や装飾的な要素は念入りな打合せの中から出来るだけ省き、シンプルな空間づくりを双方で考えて
 いきたいです。
 工事監理は設計されたものが、実際に現場で施工されているか工務店などの仕事をチェックするもの
 です。「ローコスト住宅」も厳密な現場監理をしないと、工務店が勝手に提案する「図面によく似た安物
 住宅」になってしまいますよ。

 このような念入りな設計と厳密な工事監理のうえに「ローコスト住宅」が出来あがっていると考えています。
 また、それがメンテナンス・コストやランニング・コストにも反映してくる重要ポイントでもあります。

 

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