良い住宅・欠陥住宅について

 

● 良い住宅について

良い住宅をつくるには建築主が責任を持って「良い家をつくるための仕組み」をつくる必要

があると思うのですがいかがでしょうか?


できあいの建て売り住宅をよく検査せずに買ってしまい、いわゆる欠陥住宅を取得してしま
うことは、売る方も悪質ですがそのような建物を安易に買ってしまう方にも問題の一端があ
ります。また家をつくる人は、現場の監理体制や、問題が起きたときの対処の方法などを十
分に考えておかなければいけません。施工業者から独立した専門家に検査などの現場監理を
依頼しない場合は、建築主自らが現場をチェックするか、施工業者やハウスメーカーを信じ
る以外方法がないと思っておいてください。


建築主が自分で現場を確認できるように、住宅金融公庫からもチェックシートなどが発行さ
れています。しかし専門的な部分について、施工業者に「私たちは専門家ですから、図面ど
おり施工しなくてもいつもの通りやっていますから問題ありません」と十分納得できる説明
もないままに工事を進められれば、それを信じるしかありません。
このような状況を十分理解した上で、家の設計や建設を依頼するように心がけたいものですね。

 

● 欠陥住宅について

建物を建てるときには、多くの人が係わりを持ちます。建築主はもちろんのこと、営業マン
であったり大工であったり、設備業者であったりします。もちろん設計者もいると思います。

 
さて昔ながらの棟梁が家を建てるようなスタイルを都会では殆ど見ることができなくなって
います。それに替わって、ハウスメーカーや工務店が家をつくっているのが現状です。しかし
ハウスメーカーの多くは、自前で実際に施工する人を持っていません。ですから加盟工務店
などに、資材などを提供して自分達の仕様に合わせた家を下請けに出して建てることになり
ます。この場合、この家の養生シートに入るマークは、ハウスメーカーの物であり、加盟
工務店の名前が前面にでることは殆どありません。ですから普通の人はその家をつくってい
る大工や職人は、そのハウスメーカーの社員だと思っていますが、実は違う工務店がつくって
いるのです。 ハウスメーカー(大小関係なく)のつくった家に欠陥が発生するのは、この
ように実際にその家をつくっている工務店の名前が表面に出てこない場合が多いようです。
ちょっと考えてみれば、このように「誰がつくったか分からない」=「竣工した後の責任を
直接住人から責められない」ことを良いことに手抜きが横行するのです。
それに対して、
工務店が自分の名前を表に出して仕事をする場合、欠陥などのクレームは直接自分たちにきま
すし、近所での評判が落ちれば自分が苦しむことになります。欠陥が生まれる背景には、
施工者が誰からも批判を受けない無責任な「仕組み」が存在することから生まれると考えられ
ます。