別途費用について

ここでは住宅建築に限っての別途工事費用のことについて記載します。

住宅建築には、建築工事費以外にもいろいろな費用がかかります。
「別途費用」と呼ぶもので、結果的にみると平均で建築工事費の20%くらい
は必要なのです。この割合は各家の事情で変わってきますし、また「坪単価」を安く
見せるために別途工事費を多くしているといった例もありますので中身のチェックを
しっかりと行わないといけないでしょう。

住宅を建てる場合の費用は大きく分けて3分類に分けられます。(全て消費税を含む)
  1)「工事費」「建設費」−−建物本体を造る費用
  2)「別途工事費」−−−−−引込管負担金、エアコンや外構などの費用
  3)「諸費用」−−−−−−−設計・監理料、登記、契約印紙代、融資手数料などの費用


この中の2)と3)を合わせて「別途費用」と言われています。
つまり、自宅建設にあたってはに今ある財布(融資も合わせて)の中身の割振設定が必要と言えます。

仮に総予算からの割振りを考えてみると

  総予算 2,750万円とした場合 
  

  ・建設費 2,400万円  ・本体工事費 2,000万円 →総予算の約73%になります。
               ・別途工事費    400万円

  ・諸費用    350万円      ・設計・監理料 200万円(建設費の8.3%)
               ・その他の費用 150万円

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上のグラフは平均的な内訳ですが総工事費のおよそ20%前後が別途費用の目安と言った
ところです。(何を含む・除くかで異なりますが)

[着工前にかかる別途費用]

 1)設計・監理料  もちろん設計・監理契約書に支払条件を記載しますが着工前
           に必要なのは設計料です。監理料は工事監理中の請求となり
           ます。およそ工事予算の7〜10%程度です。
           私共では工事全体(予算)を勘案して見積書を作ります。

 2)建築確認申請料 これから建てようとする住宅が建築基準法などの法規や条例
           に適合しているか担当役所の建築課(建築主事が決裁)に申
           請します。確認通知(許可)を受けて始めて着工出来ます。
           およそ代理業務15〜20万円+申請証紙代が必要です。
               (延床面積 100u〜200u で14,000円)

 3)印紙税     我々、設計事務所との設計・監理(委託)契約書及び工事業
           者との請負工事契約書には印紙が必要になります。
            500万円超〜1000万円以下  1万円(現在の軽減措置)
           1000万円超〜5000万円以下  2万円(→1万5000円)
           5000万円超〜   1億円以下  6万円(→4万5000円)
          
 4)地鎮祭費用   着工前の神事で省略は出来ます。
           土地への「お清め」という意味で一般的には施主主催でします。
           神主さんへの支払い、お供物料などが主でおよそ4〜5万円程度
           です。テントを建てるなどやり方や費用については工事業者と打
           合せをして決める場合がほとんどです。

 5)ガス工事    ガス会社が工事業者を通じて見積書を出しますが、敷設工事につ
           いては前金払いするケ−スがあります。設備によりますが目安と
           して20〜30万円くらいかかりそうです。

 以上が着工前にかかる費用で住宅ロ−ンや金融公庫融資の資金が実行になる前に必要に
 なってきます。また、工事費用とは別に引越し費用なども当然かかりますので自己資金
 がなしでは無理と言う事です。

[工事中にかかる別途費用]

 6)解体費用    建て替えの場合にかかりますが、ほとんど場合に本体工事とは別
           の項目として業者見積りに含みます。およそ2〜3万円/坪ぐら
           いが目安ですが、周囲や搬送路などの諸条件により違って来ます。
          
 7)近隣への挨拶代     解体や着工前に工事中のご迷惑もあり、挨拶に廻ります。
   職人さんへの茶菓子代  かつてのような職人さんへの茶菓子サ−ビスはほとんど
               見られなくなりましたが、立ち寄った時などの缶ジュ−
               ス代等を現場監督に手渡す場合が多いです。合計でも2
               〜3万円程度ですが気持ちは忘れないようにしたいもの
               です。

 8)水道の納付金  工事の始めにまず必要になりますが業者が立替える場合がほとん
           どです。(工事用に仮設水道を使用する場合が多いですが)
           給水の引込管が最近では太くするように指導され、その管径によ
           り負担金(差額)が設定されます。自治体により金額が違って来
           ますので事前に調べておくと良いでしょう。

 9)照明器具代   どこまでを本体工事に含むか設計打合せで決めることになります。
   エアコン代   私の場合は置き家具や置き器具、壁掛けエアコンは施主手配をお
   家具代     願いをするケ−スが多いです。その方が安くなることもあります
           し、後々の修理やメンテが楽に思えます。もちろん設置までの配
           線や配管は本体工事に含めます。この費用はグレ−ドや数量によ
           り大きく違ってきます。

 10)電話引込費用 すでにある場合は良いのでがない場合は引込みが必要になってき
           きます。電話配管は本体に含むとして中の配線はNTT工事にな
           ります。どういった配線経路や機能にするなどにより違ってきま
           すが、まずは電話(引込)債権だけでも7万円ほどかかります。 

 11)外構費用   これもどこまでを含めるかにより費用が違ってきます。
           私の場合は一体的なデザインと考えますので業者見積書に外構工
           事として含む場合が多いです。門、塀、植栽、駐車場やカ−ポ−
           トなど設計段階で決められない場合は別途工事費用として工事中
           に打合せをしながら進めていきます。本体工事費の10%以下ぐ
           らいになると思われます。
               
 12)カ−テン代  これもカ−テンレ−ルなどもいろいろな種類があります。火を使
           うキッチン廻りではブラインドにすることが多いです。目安とし
           て40〜50万円ぐらいとみておいた方が良いでしょう。

さて、こうしてみてくると結構な費用が別途としてかかることがおわかりいただけますね。